2月9日はレバノン共和国の祝日「聖マロンの日」です。
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「聖マロンの日」はどんな日?
中東の国レバノンでは、毎年2月9日が「聖マロンの祝日」として祝日となっています。レバノンの22%を占めるキリスト教マロン派の信者にとって重要な日です。
マロン派の精神的な父であるマロンについての詳しい情報はありませんが、司祭であったとされています。マロンは現在のシリアにあたる都市・アンティオキアの近郊に隠居し、多くの信者を集めました。自身の知恵と神聖性により、信者の相談に乗り肉体的・精神的な病を癒したと言われています。
マロンの没年は407年から423年の間とされています。その人気ゆえ、当時はなきがらを保存しようとする暴動が起こったとさえ言われています。教会は17世紀に2月9日を祝日とし、レバノンはマロンを守護聖人と宣言しました。
レバノン共和国ってどんなところ?
地中海・中東のはざまにある小さな国
レバノンは、地中海の東岸に位置する国で、シリアやイスラエルに面しています。気候は地中海性気候で、冬は温暖で雨が多く、夏は暑く乾燥した気候です。沿岸部は年間を通じて温暖ですが、高山地帯は冬になると雪が降ります。一方でベッカー渓谷の夏の気温は40℃に達することもあります。
農業では地中海性の気候を活かし、オリーブ、柑橘類、野菜、ブドウなどの作物が広く栽培されています。また、ワインやオリーブオイルなどの特産品の生産でも知られています。
他の産業では、観光、不動産、金融などのサービス部門が経済への貢献度が高く、着実な成長を見せています。
課題山積も成長を続ける
レバノンは多様でダイナミックな経済を持つ一方で、ここ数十年は政情不安や紛争、経済の失政など、大きな課題に直面してきました。レバノンには多額の国家債務、高い失業率、大規模なインフォーマルセクター(行政の指導がない経済活動)が存在します。
また、2020年には首都ベイルートの沿岸部で大規模な爆発事故が起き、200名以上が亡くなりました。不法に運航していた船から押収した硝酸アンモニウム2,750トンを当局が適切に保管していなかったことが原因だとされています。
課題は多くありますが、レバノンには高い教育を受けた国民と豊かな文化遺産があり、それが外国からの投資を呼び込み、観光部門などの発展を支えています。近年では経済成長を支えるため、高速道路、空港、港湾の新設など、国のインフラ整備にも力を入れています。
基本データ
- 面積:1.0万平方キロメートル(日本の約40分の1)
- 人口:683万人
- 首都:ベイルート
- 言語:アラビア語(公用語)、フランス語、英語、アルメニア語
- 宗教:イスラム教シーア派27%、スンナ派27%、キリスト教マロン派21%、ギリシャ正教8%
参考文献など
画像:Unsplash(特記なき場合)
データブック オブ・ザ・ワールド 2022(二宮書店)