2月1日はモーリシャス共和国の祝日「奴隷制廃止の日」です。
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「奴隷制廃止の日」はどんな日?
東アフリカ・マダガスカルの東に浮かぶ島国であるモーリシャスでは、1835年2月1日に奴隷制が廃止されました。これを記念し、毎年2月1日が「奴隷制廃止の日」として祝日となっています。
1638年、オランダの東インド会社がモーリシャスに入植しました。彼らはマダガスカルや東アフリカから奴隷を連れてきてサトウキビなどのプランテーションを作りました。その後フランス、イギリスと統治国は変わりますが、引き続き奴隷制が続きました。
1834年にイギリス本土で奴隷制の廃止が決まり、モーリシャスでも翌1835年に実行されました。実に200年もの間、モーリシャスは奴隷たちが多く働く国とされていたのです。
モーリシャス南西部には、インド洋に突き出すようにそびえる険しい山、「ル・モーン山」があります。1700年代から1800年代初頭にかけ、この山は逃亡した奴隷の避難場所として利用されていました。
逃亡した奴隷たちは、洞窟や山頂に小さな集落を形成しました。ル・モーン山は自由を求める奴隷たちの戦い、苦しみ、犠牲の象徴なのです。このル・モーン山を含む半島は、2008年に「ル・モーンの文化的景観」として世界文化遺産に登録されました。
モーリシャス共和国ってどんなところ?
インド洋に浮かぶ島国
モーリシャスはアフリカ大陸の東部にある島国で、マダガスカルの東1,000キロメートルに位置しています。気候は熱帯で20℃台の暖かい日が1年中続きます。
地理的にはインド洋の南西部に位置し、かつてはヨーロッパからアフリカを周りインドへ向かう航路の中継地とされていました。また現在でも日本のマグロ遠洋漁業の補給基地となっています。
農業や観光業が盛んで、その中でもサトウキビの生産が非常に多く行われています。農地のおよそ90%がサトウキビ農園であり、1970年ごろまでは砂糖の生産が国のほぼ唯一の産業だったほどです。
現在ではサトウキビのモノカルチャー経済から脱し、繊維産業や観光業を発展させています。
バカンスが楽しめる!モーリシャスの観光スポット
モーリシャスは18世紀にフランスの植民地でした。その名残で現在でもフランスとの関係が強く、フランスから多くの観光客が訪れます。南インド洋でバカンスを楽しむというわけです。
モーリシャスの海はその青さや透明度が特徴で、モーリシャス・ブルーとも呼ばれています。中でも前述のル・モーン山の近くには「海中の滝」という、海の中に滝があるように見えるスポットがあり空中からも絶景を楽しめます。
パンプルムース植物園では、大きなオオオニバスをはじめとする亜熱帯の多種多様な珍しい植物を見ることができます。南半球初の本格的な植物園で、ガイドもあり異国の自然を存分に味わえるでしょう。
基本データ
- 面積:1,979平方キロメートル(日本の約200分の1)
- 人口:127.2万人
- 首都:ポートルイス
- 言語:英語(公用語)、フランス語系クレオール語、ボージュプリー語、フランス語
- 宗教:ヒンドゥー教49.6%、キリスト教32.2%、イスラム教16.6%
参考文献など
画像:Unsplash(特記なき場合)
データブック オブ・ザ・ワールド 2022(二宮書店)