2月10日はマルタ共和国の祝日「聖パウロ難破記念日」です。
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「聖パウロ難破記念日」はどんな日?
「聖パウロ難破記念日」は、2月10日に地中海の島国・マルタで祝われる祝日で、マルタの守護聖人である聖パウロを記念しています。
新約聖書の「使徒の働き」に記されているように、聖パウロは西暦60年にマルタ島で難破しました。囚人としてローマに移送されていた途中に船が嵐に遭い、マルタ島で座礁したのです。
当時、島民はパウロを歓迎しました。パウロは焚き火をしているときに毒蛇に嚙まれましたが、無傷だったといいます。この出来事によってパウロは癒しの力を持っていたことが知られるようになったことから、多くの人が彼のもとを訪れました。
現在でもこの日には家族が一堂に会し、特にヴァレッタの聖パウロ教会では宗教的な儀式や行列が行われます。
マルタ共和国ってどんなところ?
地中海に浮かぶ小さな島国
マルタは、地中海の中央、イタリア・シチリア島のすぐ南に位置する小さな島国です。マルタ島、ゴゾ島、コミノ島の3つの主要な島からなり、面積は315平方キロメートル余りです。およそ44万人が暮らしています。
岩だらけの海岸線が特徴で、海から中央の台地まで崖や絶壁がそびえ立っています。海岸線には岩の多い湾や入り江、砂浜が点在しています。川や湖はほとんどなく、国土は比較的平坦で、最高峰は標高253mの丘陵です。
島が小さく耕作地が少ないことから、農業はかなり限定的です。それでも、柑橘類、野菜、オリーブの生産で知られています。また小規模な畜産業もあり、ヤギ、羊、牛などが飼育されています。
マルタの産業は観光業が中心で、毎年200万人以上がこの国を訪れています。温暖な気候、文化遺産、史跡があることから、観光客に人気のある国となっています。近年では製造業も発達し、伝統的な造船業のほかに半導体、繊維製品などの産業が成長しています。
美しい街並みに文化遺跡も
マルタの首都バレッタは街全体が世界遺産に登録されており、「ルネサンスの理想都市」とも呼ばれてきました。16世紀にはヨーロッパをイスラムから守る砦となり、当時の風景がそのまま残っています。
5万の軍勢で迫るオスマン帝国軍を9000人の聖ヨハネ騎士団が撃退したそうで、バレッタは要塞都市でもあります。
もちろん海の景色も抜群で、各地で複雑な地形と海が織りなす美しい風景を楽しむことができます。小さな国でありながら、豊かな文化と自然がつまっています。
基本データ
- 面積:315平方キロメートル(日本の約1,200分の1)
- 人口:44.2万人
- 首都:バレッタ
- 言語:マルタ語(公用語)、英語(公用語)、イタリア語
- 宗教:カトリック95%、イスラム教0.7%
参考文献など
画像:Unsplash(特記なき場合)
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