2月11日はイラン・イスラム共和国の祝日「イスラム革命記念日」です。
この記事にはアフィリエイトリンクが含まれることがあります。
「イスラム革命記念日」はどんな日?
イスラム革命記念日は、ペルシャ暦のバフマン月22日に制定されたイランの祝日です。西暦では2月11日に祝われることになります。イランではバフマン22日として知られており、1979年のイスラム革命を記念する日です。
イランでは、1925年からパフラヴィー朝の絶対王政が続いていました。1960年代には近代化改革が行われましたが、経済状況は改善されず、聖職者のホメイニが国王を批判する演説をしたことから大規模な暴動が発生しました。
ホメイニは亡命しますが、1978年には国王の支配に対する抵抗が強まります。その後、ホメイニがイランに凱旋し、反乱軍がイラン軍を圧倒したことにより、パフラヴィー王家政権は敗北しました。1979年2月11日のことです。2ヵ月後に新政府は新憲法に基づくイスラム共和国を樹立しました。
このイラン革命は「10日間のファジル(夜明け)」と呼ばれ、毎年2月11日に祝われます。亡くなった人々を追悼し、ホメイニに敬意を表す行進や集会が行われ、テヘラン・自由広場では花火が打ち上げられます。
イラン・イスラム共和国ってどんなところ?
中東・砂漠と石油の国
イラン・イスラム共和国は、アジア南西部に位置する国です。東にアフガニスタンやパキスタン、西にイラクやトルコと国境を接しています。南北にはペルシャ湾やカスピ海に面します。
アルボルズ山脈の雪山、中央部の砂漠、カスピ海に面した肥沃な平原など、多様な地形を持ちます。また、カルン川、ザーヤンデ川などの大河があり、灌漑や水力発電に利用されています。
イランの気候は、ほとんどが乾燥または半乾燥です。乾燥地帯であるにもかかわらず、イランには長い農業の歴史があり、現在でも農業は経済の重要な部分を占めています。小麦、大麦、米などの作物や、ナツメヤシブドウなどの果物、野菜の生産が盛んです。
豊富な資源と経済制裁
イランは原油の埋蔵量では世界4位、天然ガスの埋蔵量については世界2位を誇り、輸出の大部分を石油関連品が占めています。
一方で、アメリカによる経済制裁を課されています。これはイランの核開発によるもので、2016年には制裁が解除されていましたが、2018年のトランプ大統領による核合意離脱に伴い再び制裁が科されています。
制裁によってイランの経済は悪化しており、マイナス成長、高いインフレ率が続く状況となっているようです。
基本データ
- 面積:163万平方キロメートル(日本の約4.3倍)
- 人口:8,400万人
- 首都:テヘラン
- 言語:ペルシャ語(公用語)、アゼルバイジャン語、クルド語など
- 宗教:イスラム教シーア派86.1%、スンナ派10.1%、キリスト教、ゾロアスター教
参考文献など
画像:Unsplash(特記なき場合)
データブック オブ・ザ・ワールド 2022(二宮書店)