1月28日はアルメニア共和国の祝日「軍隊の日」です。
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「軍隊の日」はどんな日?
「軍隊の日」は、1992年にアルメニア共和国の軍隊が結成されたことを記念する日です。「国土防衛の日」としても知られます。土曜日・日曜日に重なった場合は有給休暇扱いとなります。
1991年9月、アルメニアで独立を問う国民投票が行われ、約70年にわたるソ連の支配が終了しました。そして翌1992年1月28日にアルメニア国軍が設立されました。独立後もロシアとの関係は深く、アルメニアはロシア主導の集団保障条約(CSTO)に参加しています。
この日、アルメニアの首都エレバンでは軍事パレードが行われます。また、軍人の献身や勇気、優れた任務を称える表彰式も行われます。
2016年にはサルグシャン大統領が演説を行い、「私たちは、自分たちが作った軍隊なしには、独立からの25年にわたる長い旅が可能であると疑ったことは一度もありません。アルメニア軍は、我々の国家としての礎となったのです。」と述べました。アゼルバイジャンやトルコなど、隣国との軋轢が続いている事情が透けて見えます。
アルメニア共和国ってどんなところ?
西アジアの小さな山国
アルメニアは西アジア、黒海とカスピ海の間に位置する内陸国で、ジョージアやトルコと国境を接します。コーカサス山脈やアルメニア高原など山あいの地域が広がっています。
旧ソ連の構成国で、現在も独立国家共同体や先述の集団安全保障条約に加盟するなど、ロシアと軍事的・経済的に深いつながりを持ちます。
農業ではぶどうや野菜などの生産が盛んで、ブランデーも有名です。またダイヤモンド・宝石加工を主な産業としています。
国際問題を多数抱える状況
アルメニアは長く隣国アゼルバイジャンとの対立関係が続いています。これはナゴルノ=カラバフ問題と呼ばれ、アゼルバイジャン領のナゴルノ=カラバフ自治州をめぐって衝突が繰り返されてきました。
1988年から94年には戦争となり(ナゴルノ・カラバフ戦争)最大3万人が亡くなり多くの難民が発生しました。現在も対立は解消しておらず、2016年、2020年にも軍事衝突が発生しています。
また反対側の隣国トルコとも対立しており、国交が途絶えた状況が続いています。これはオスマン帝国時代にアルメニア人の迫害が行われたためとされています。トルコ政府はオスマン帝国のジェノサイドを否定していますが、トルコは国際的な非難の的となっています。
基本データ
- 面積:3.0万平方キロメートル(日本の約13分の1)
- 人口:296.3万人
- 首都:エレバン
- 言語:アルメニア語(公用語)、ヤジーディー語、ロシア語
- 宗教:キリスト教アルメニア正教73%、カトリック4%、イスラム教2%
参考文献など
画像:Unsplash(特記なき場合)
データブック オブ・ザ・ワールド 2022(二宮書店)
officeholidays.com
Wikipedia(集団安全保障条約)
Wikipedia(アルメニア)
Wikipedia(独立国家共同体)
Wikipedia(ナゴルノ・カラバフ戦争)
Wikipedia(アルメニア人虐殺)